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腸内細菌と大腸カメラの関連性について、専門医が解説!

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こんにちは。

高田馬場駅前おだぎ内視鏡・消化器内科

院長の小田木勲です。

 

いつも当院をご愛顧くださりありがとうございます。

 

今回は[腸内細菌と大腸カメラの関連性]について

お答えしたいと思います。

 

---▼本記事には以下の内容が書かれています▼---

 ■腸内細菌は体のどこにいる?

 ■大腸に存在する腸内細菌

 ■腸内細菌と大腸菌の違い

 ■大腸カメラ検査で腸内細菌はわかる?

 ■大腸カメラで腸内最近は改善される?

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[腸内細菌は体のどこにいる?]

腸内細菌は大腸に生息しています。

私たちの腸は、大腸と小腸の二つの部分から構成されており、

それぞれ異なる重要な役割を担っています。

 

小腸では、摂取した食物の消化と栄養素の吸収が行われます。

その後、大腸では、栄養吸収が完了した残りの食物から便を作り出します。

これらの生命を維持するための機能に加えて、

人の体内に存在する細菌の大部分が

腸内に生息しているのです(腸内細菌)

 

腸内細菌は小腸にいるという印象も強いですが、

8〜9割は大腸に生息していることが多いです。

また、大腸は全長約1.5mと長い器官ですが、

腸内細菌がまんべんなく生息していると考えられています。

 

しかし、大腸以外の消化管にはほとんど生息していません。

それは、腸内細菌の生育における適正pH値に理由があります。

腸内細菌の生育は弱酸性が好ましいとされており、

中性から弱アルカリ性である人の腸内を弱酸性に近づけ、

適正環境に作り変える特性があります。

 

この特性から、強い酸性で満たされている胃内においては、

ピロリ菌以外の細菌は生息することができません。

 

[大腸に存在する腸内細菌]

人間の大腸には、約1000種類

100兆個から1000兆個に及ぶ腸内細菌が生息しており、

これらは腸内細菌叢や腸内フローラと呼ばれます。

 

大腸に存在する腸内細菌で代表的なものは

乳酸菌」や「善玉菌」、「酪酸菌」、「悪玉菌」、

そして両者の中間に位置する「日和見菌」などがあります。

 

その他、様々な種類の大腸菌も腸内に生息していますが、

一部の大腸菌は腸炎を引き起こすような

マイナスな影響を及ぼす「悪玉菌」のようなものもあります。

 

腸内細菌のうち最も数が多いのは日和見菌で、

その次に善玉菌が多く、悪玉菌は比較的少数派です。

 

腸内細菌の種類と数は、個人によって大きく異なり

食生活や居住地などの要因によっても変化します。

 

また、

腸内細菌の種類は一生を通じてほぼ変わらない

とされていますが、

数は年齢によって増減するものの、

抗菌薬の服用などで一時的に変動しても、

時間が経てば元の状態に戻ることが多いです。

 

腸内細菌は、体内の細胞数を上回るほど豊富に存在し、

人の健康維持に欠かせない役割を担っています。

 

[腸内細菌と大腸菌の違い]

腸内細菌と大腸菌の違いについてよく聞かれますが、

上記のように腸内細菌は体内に存在する細菌の総称であり、

乳酸菌や善玉菌、酪酸菌のような

腸内環境を整えてくれる細菌もあれば、

悪玉菌のように腸内環境を悪くする細菌も全て含まれています。

 

大腸菌はその中の1つの種類として分類されており、

腸内細菌の中で体内に悪影響を及ぼす代表的な悪玉菌の1つでもあり、

そのほとんどは大腸に生息しています。

[大腸カメラ検査で腸内細菌はわかる?]

大腸カメラ検査において、

直接的に腸内細菌を確認することはできません。

 

菌自体はミクロなものなので

肉眼では観察できないことが理由です。

 

悪玉菌の影響によって、炎症などが生じている場合、

それらの症状自体を観察することは可能です。

 

大腸カメラは腸炎や大腸ポリープなどの

腫瘍・大腸憩室・寄生虫・痔などを観察するための検査であり、

腸内細菌の存在の有無は、

腸内の腸液を採取して調べることで判断が可能です。

 

腸液を採取する方法としては、

大腸カメラで吸引をして検査する方法などがあります。

 

腸内フローラでは便のサンプルを採取して行います。

このことから、腸内細菌を調べる方法として代表的な手法として、

「簡易的である」という理由から

腸内フローラによる便検査を行っています。

 

「大腸カメラで腸内細菌の有無はわかる?」

という問いに対しては、

直接的な観察では分かりませんが、

腸液採取に繋がるという意味では

”大腸カメラで腸内細菌を確認することができる”

と言えます。

 

さらに、カンピロバクターを引き起こしている際などは、

腸液採取による腸内細菌の観察が代表的です。

 

総じて、病的な要因や症状がある場合は

大腸カメラ検査を受けた方が良いので、

大腸カメラ検査を受ける過程で腸内細菌を観察することが推奨され、

症状は無いが、一旦腸内細菌を知りたい方は

腸内フローラなどの便検査が適しています。

 

[大腸カメラで腸内細菌は改善される?]

大腸カメラ検査自体は腸内細菌の改善には直接繋がりません。

大腸カメラ検査を行うために腸内を腸管洗浄液で綺麗にするため、

腸内がリセットされ、腸内細菌の改善の機会を得ることに繋がります。

また、大腸カメラ検査により腸の中の状況が正確に把握でき、

生活習慣の改善などのきっかけにも繋がります。

 

以上です。

 

いかがでしたでしょうか。

この情報が皆様の参考になれば幸いです。

 

当院では経験豊富な内視鏡専門医達が

精度の高い大腸カメラ検査を行っています。

 

いつでもお気軽にご活用ください。

皆様のご受診をお待ちしております。

 

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